生活防衛意識の高まりから住宅市場のトレンドが変化し、住宅ローン市場にも影響が出ていると認識しています
実質賃金の低下による消費者の生活防衛意識の高まりにより、住宅市場では「新築縮小・中古拡大」トレンドが続いています。特に地方など土地が安いエリアの木造住宅や、断熱・耐震改修を行った中古住宅への需要が高まると予想しています。
また住宅ローン市場においては、2024年以降、変動金利と固定金利の金利差も狭まってきています。金利上昇が続けば、返済額が一定となる長期固定金利型住宅ローン(フラット35など)への支持がより高まります。
▼MSJグループ公式noteにて市場環境についての補足記事がございます
現時点での大幅な見直しは予定していません
当社グループでは、限られた経営資源を有効に活用するため、事業の選択と集中による最適な資源配分を行っています。現在の事業ポートフォリオは、各事業のシナジーを活かし、当社の強みを最大限に発揮できる構成となっており、現時点で大幅な見直しは予定しておりません。
ただし、市場環境の変化には柔軟に対応していく方針です。事業ポートフォリオの強化に向けた事業連携は積極的に進めており、M&Aについても必要に応じて慎重に検討してまいります。
債権を流動化させ、住宅ローン契約に伴う事務手数料を収益源としているためです
当社の住宅ローン商品は、原則として融資後すぐに債権を譲渡・売却するオフバランス型の商品スキームを採用しております。一般的に、銀行では債権を資産として保有し、利息収入が主要な収益源となります。これに対し、当社では住宅ローン契約に伴う手数料(融資事務手数料など)を売上として計上しているため、売上高は相対的に小さく見える傾向があります。
これまでのMSJフラット35の貸出累計額は1.1兆円を超えており、当社のビジネスモデルが安定的に推移していることが表れています。
▼MSJグループ公式noteにてビジネスモデルについて解説しております
中小住宅会社向け事業に経営資源を集中させ、あくまで当社の強みを追究しつづけることが重要だと考えています
当社は創業以来、中小住宅会社との密なリレーションシップにこだわり、専門性の高いサービスを開発して強みを磨いてきました。ニッチを極める戦略のもと、多彩なサービスを組み合わせたクロスセルにより、競合が入りにくい独自のポジションを築いています。
そのため、多額の販管費が必要となる一般消費者向けサービスや不動産仲介など、当社の強みが発揮しにくい分野への展開は慎重です。今後もコアマーケットに経営資源を集中し、持続的な成長を目指してまいります。
新規参入が非常に困難な事業であり、ハウスジーメンは独自の強みで競合優位性を持っていると考えます
住宅瑕疵保険(住宅瑕疵担保責任保険)は、国土交通大臣に指定された全国5社のみが提供できる制度で、参入障壁が高いマーケットです。
そのなかでもハウスジーメンは、創業当初からIT化を推進してきたことで、相対的に高い業務効率と利益率を実現しております。さらに、住宅瑕疵保険を起点に、審査・保険・保証など住宅会社の事業運営に必要なサービスを連携させることで、独自のポジションを築き、着実に市場シェアを拡大しています。
こうした強みを背景に、新築住宅市場が縮小傾向にある中でも、当社グループにとって住宅瑕疵保険はポテンシャルの高い事業領域であると認識しています。
金融リスクを最小限に抑えるビジネスモデルを構築しています
MSJグループでは、住宅ローンや保険・保証商品に関する金融リスク(信用リスク、金利変動リスク、保険引受リスクなど)を抑えることを重視し、創業以来、独自のビジネスモデルを築いてきました。債権などの資産をバランスシート(B/S)に計上しない「オフバランス化」により、リスクを外部に移転し、収益構造の安定化を図っています。
一方で、当社はノンバンクであるため、貸付資金の調達を他金融機関からの短期借入金で賄うことから、金利上昇に伴う資金調達リスクには注意を払っています。
▼MSJグループ公式noteにてオフバランス手法についての補足記事がございます
提供するサービスごとに収益認識のタイミングが異なります
MSJグループの事業領域は、住宅の建設から居住、売却までの長い住宅ライフサイクルをカバーしています。そのため、提供するサービスごとに収益認識のタイミングが異なります。なお、主力商品である「MSJフラット35」「新築住宅かし保険」「住宅設備延長修理保証」などは、建物が完成し、引渡し時点で収益を認識しています。
詳細については、日本モーゲージサービスの有価証券報告書(連結財務諸表『注記事項(収益認識関係)』)をご参照ください。