中期経営方針

当社グループは、創業以来一貫して「住宅会社向けの経営支援」を目的として住宅産業を支えるプラットフォームを提供しており、住宅事業への豊富な知見を活かして住宅産業の信用創造に取り組んでいます。
近年は、「住宅金融サービスとクラウドの融合」を経営戦略の中心に据え、様々な商品をつなげて提供する仕組みにより、シェア向上を目指しています。

生活防衛意識の高まりから、住宅ニーズにも変化が

日本経済は、インフレ下であっても賃金が上昇しない、いわばスタグフレーションともいえる状況に向かっています。先行き不透明な環境は、消費者の生活防衛心理を高め「より安全で低リスクなもの」へとニーズが変化すると考えられます。

住宅分野においては、都心の投資用不動産から、郊外・地方の戸建て住宅へ。住宅そのものも、費用が抑えられた中古住宅やコンパクトな新築木造住宅へ。住宅ローンも金利上昇リスクがない固定金利が注目されると当社グループでは考えており、関連サービスの増強に力を入れてまいります。

オンリーワン戦略の推進

当社グループでは、1棟の住宅に住宅ローン、保険や保証等の複数サービスをワンストップで販売・提供する、積上げ型のビジネスモデルに強みを持っています。今後も商品の多角化や住宅事業者へのコンサルティングに力を入れることで、付加価値を高め、縮小市場のなかでの生き残りを図っていきます。

住宅金融事業では、多様な金融機関との提携によるポートフォリオの多角化や新商品開発を進め、住宅建設・販売分野における「金融オリジネーター」のポジションを目指します。また金融代理店を軸とした販売チャネルの増強を行い、コンサルティングによる問題解決能力を強化し、当社グループの基幹事業として、営業力を高めていきます。

住宅瑕疵保険等事業および住宅アカデメイア事業においては、住宅事業のDX化や経営合理化の支援を行い、住宅会社の経営課題解決企業としてのポジションを高めます。今後も住宅会社に寄り添った専門性の高い商品開発を行い、ワンストップで提供することで、収益の積上げを推進いたします。

中小住宅会社の抱える課題 「ストック事業参入」を支える

新築住宅市場が縮小するなか、多くの住宅会社がリフォームや中古住宅販売等に代表される「ストック型事業」への転換を余儀なくされています。そのなかで当社グループでは、中小住宅会社の強みを活かす「住宅の資産化」を切り口にした事業支援に力を入れています。

消費者の中古住宅購入ニーズが高まるなかで、適切にメンテナンス・リフォームされた中古住宅であれば、従来ほどに建物の資産価値が損なわれることはないでしょう。

住宅会社は、竣工物件の定期メンテナンスを通じてタッチポイントを維持し、長期的に顧客ロイヤルティを高めていくことが可能な存在です。住宅所有者に寄り添う存在として、住まいの資産価値をリフォームなどで守ること。そして、住宅所有者の「住宅の資産化」を売却により叶えること。専門分野のノウハウに加え、住宅所有者といういわば「住宅売却の見込客リスト」を持つ住宅会社ならではの強みを活かすビジネスモデルです。

当社グループでは、これらを実現する顧客管理システムや、保証サービスを多く取り揃え、住宅会社の事業転換を支援することで、着実な収益積み上げを推進していきます。

持家市場のゲームチェンジで競争優位へ

当社グループでは、インフレや円安が進行するなか、消費者の手に届く価格帯で新築住宅を建設するためには、住宅建設における商習慣を刷新する必要があると考えています。従来の工事請負モデルを見直し「新しい材工分離モデル」を開発。住宅建設の抜本的なコストダウンにチャレンジしていきます。

「新しい材工分離モデル」とは、消費者が建材を直接購入する分離発注をベースに、BIMや電子マネー等の最新技術と金融サービスを組み合わせた新しい産業モデル。多層複雑な建材流通をシンプルにすることで住宅建設コストを削減。消費者保護を担保しつつ住宅建設のコストダウンが実現します。

「新しい材工分離モデル」

住宅会社にとって「新しい材工分離モデル」は、建材仕入れが無くなり資金繰りがスムーズになること。請負契約締結後の資材高騰リスクを負う必要がなくなり、適切に利益を確保できる、住宅価格が下がることで販売ターゲットが拡大するなどのメリットがあります。対して、建材会社にとっても売掛金回収リスクがなくなり、与信管理などの手間がなくなること。住宅購入者にとっても、建材の中間マージンがなくなることで新築住宅価格が安くなること、資材費の詳細が明確になるなど多くのメリットがあります。

当社グループでは「新しい分離材工モデル」の実現に向け様々な企業と提携。住宅形成プロセスの情報を統合し、金融サービスを提供するプラットフォーマーとなり、持続的な成長を目指していきます。